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スマートホームニュース#76 より賢い照明でより快適に、マーケティングに学ぶスマートホーム普及のヒント、エネマネデバイス市場の最新動向

更新日:5 日前

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スマート照明が今「賢く」なる理由


スマート照明の普及が加速している現状 スマートLED電球や照明器具、スイッチなどの価格が下がり続け、スマートホームプラットフォームやスマートフォンとの互換性が向上していることで、照明のスマート化を導入しやすい環境が整ってきています。Matterというスマートホームの標準規格の普及がその後押しとなっており、複数ブランドの製品を混ぜて使うことができるようになっています。


Adaptive Lightingで自然な光のリズムを再現 AppleのAdaptive Lighting機能は、朝は明るくクールな色調、夕方や夜は暖かく落ち着いた色調に電球を自動で調整します。時間帯に合わせて自然光の変化を再現するので、照明が毎日の生活に自然になじみ快適さが向上します。Hue、Nanoleaf、Aqara、Lifxなど複数ブランドがこの機能をサポートしており、ブランドをまたいだ光の調整が可能です。


ホームシアターや屋外照明で拡がる応用シーン 壁面を照らすウォールワッシャー照明やLEDストリップなどの間接照明を使った映像との同期など、インテリアの演出用途としての応用が増えています。屋外照明でも防塵防水仕様を備えた製品が登場し、庭などで雰囲気を楽しむ使い方が広がっています。


スマート照明を選ぶべき時に知っておきたいポイント スマート照明を導入する際には、まず自分の使いたいプラットフォーム(たとえばApple Home、Google Homeなど)がMatterやAdaptive Lightingに対応しているかを確認することが重要です。価格や機能だけでなく、調整の幅や変化の滑らかさ、屋外対応かなども選択基準になります。


マーケティングで学ぶスマートホーム普及のヒント


スマートホーム機器には利便性や安全性といった多くのメリットがあります。しかし現状では、スマート機器を購入しない消費者も少なくありません。その大きな理由のひとつが「互換性」です。規格やエコシステムが異なると機器同士がうまく連携できず、購入をためらうケースが目立ちます。

こうした課題に対して有効な解決策のひとつが「バンドル販売」です。コントロールパネルやセンサー、アクセサリをセットとして提供し、その互換性が保証された製品群として販売することで、ユーザーに安心感を与えられます。さらに、どのスマートホーム標準に準拠しているかを明確に表示することで、購入前の不安を軽減することができます。


販売現場での工夫も重要です。オンラインや実店舗では、製品の互換性を意識しての展示や、専用コーナーを設けることで、ユーザーが理解しやすくなります。さらに、バンドル専用のパッケージ販売やプロモーションを実施し、互換性のあるハブやセンサーを含めたセット商品を提供することも効果的です。また、デモ展示やスタッフによる説明を通じて、実際にどのようにオートメーションや連携が可能なのかを体験してもらうことも有効な手段です。


スマートホーム機器の普及には、技術力だけでなく「買いやすさ」と「安心感」を提供するマーケティング戦略が欠かせません。バンドル販売や互換性の明示、購入前の体験の提供といった取り組みを強化することで、より多くの消費者がスマートホームの導入を検討しやすくなります。今後はこうした戦略をどれだけ実践できるかが、普及スピードを左右する重要な要素になるでしょう。


スマートホーム向けエネマネデバイス市場の最新動向


世界市場の規模と成長予測 Grand View Researchによれば、2024年のスマートホーム向けエネルギー管理デバイスの市場は約20億7350万ドル(USD)と推定されており、2025年から2033年にかけて年平均成長率(CAGR)17.2%で拡大し、2033年には約85億1420万ドル規模に達すると予測されています。


地域別動向と通信技術の構図 地域別には北米が2024年時点で27.3%の市場シェアを占め、最大の市場となっています。 通信技術別では、Wi-Fiが最も高いシェアを持ち(2024年で33.6%)、その後も市場をリードする見込みです。 ただし低消費電力でメッシュ構成を得意とするZigbeeも成長が期待されており、IoT機器の相互運用性という観点から重要性を増しています。


製品タイプや構成要素別の傾向 製品タイプでは、スマートサーモスタットが2024年時点で最大の収益シェアを占めており、消費の最適化という用途で強みを持っています。 一方でスマート照明(スマート電球)は、2025年〜2033年の期間において最も高い成長率(CAGR 21.0%)が予想されており、注目すべき分野となっています。 構成要素別には、ハードウェア(センサー、コントローラ、モジュール類など)が2024年の収益シェアで69.3%を占めています。 今後はサービス(設置、保守、統合、遠隔監視など)やソフトウェア(解析、プラットフォーム連携など)の比重が上がるという見方も示されています。


成長を後押しする要因と今後の課題 この市場を牽引する要因には、電気料金の上昇、消費者の省エネ意識の高まり、政府による省エネルギー支援策、IoTセンサーの普及、通信規格の進化(Wi-Fi、Zigbeeなど)などが挙げられます。 一方で、異なるエコシステム間での互換性、初期導入コスト、プライバシー・セキュリティの確保といった課題も残るため、メーカーやプラットフォーム事業者はこれらをどう克服するかが鍵となるでしょう。

X-HEMISTRY株式会社

スマートホームの統一規格matterを推進する団体CSAの日本支部代表が所属 - 日本国内において唯一のスマートホーム事業化のコンサルティング会社 - CESやIFAなど海外展示会のビジネス視察の支援も実施 - CEO新貝将文は、毎年CEATECやジャパンビルドに登壇している

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